「千羽鶴折形 序」を読む

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少しずつ、秘伝千羽鶴折形を読んでノートにまとめているのですが、こちらでも備忘録代わりに書いておこうと思いました。

まとめるというよりは、本文に出てくる単語や背景にあるものを羅列する感じですので、細かく意味を知りたくなった方は、岡村昌夫先生「つなぎ折鶴の世界 -連鶴の古典『秘伝千羽鶴折形』」や日本折紙協会「秘傳千羽鶴折形 復刻と解説」の書籍を読んでいただくのが良いと思います。

今日は、最初の章である「千羽鶴折形序(せんばづるおりかたのはしがき)」について書いていきます。

千羽鶴折形序

なるべく原文のまま活字に起こすと、こんな感じですかね(現代では使用されていない変体仮名は現代の平仮名に置換しています)。

千羽鶴折形序せんはつるおりかたのはしかき

大むかしひじりのからうた鶴九皐つるこゝのつのをかなくその
こゑあめきこゆとうた辛氏しんし酒旗ささはたまひ
つる巨万おほくたからるとみん劉基りうきつくられたり
こゝにかずつるれるのりありこれぞすなはち長生ちやうせい
延寿ゑんじゆしるしとてみづからもおりてみればひとつつる
とせのよはひあればもゝつる十万じうまん寿ことぶきあり
せんつるには百万歳ひやくまんさいのよはひをたもつめでたきためし

これなんはつはるのはつねのけふのもてあそび
にとるからにのぶぶることぶきといふ事を
こゝにそむるものならし寛政くはんせいここのつなる
みのとしあたらしきはるのあしたたましく
にはの下つかへ青女房あをによばう露菊つゆきくしるす

漢字と平仮名を分ける感覚が現代と大分違っていて読みにくいので、漢字の当て方を変えます。

大昔 聖の代の唐歌に 鶴九皐に啼く その
声 天に聞こゆと歌う辛氏が酒旗の舞
鶴は巨万の宝を得ると明の劉基も作られたり
ここに数の鶴を折れる法あり これぞすなはち長生
延寿の兆とて自らも折りてみれば一の鶴に
千歳の齢あれば百の鶴に十万の寿あり
千の鶴には百万歳の齢を保つめでたきためし

これなん 初春の 初子の今日の もて遊び
手にとるからに 延ぶる寿 といふ事を
ここに染むるものならじ 寛政九つなる
巳の年 新しき春の明日 玉しく
庭の下仕え青女房露菊記す

ざっくりとまとめると

  • 中国の古典にある鶴にまつわる話の紹介
  • 1羽で千歳、100羽で十万歳、1000羽で百万歳の寿
  • 正月の子(ね)の日に遊びとして(折り鶴を)手に取ると寿が延びる
  • 寛政9年に露菊という女性が書く

ぱっと見で分かりにくい文言は以下にまとめます。

聖の代の唐歌

孔子の時代の詩経

鶴九皐に啼く その声 天に聞こゆ

鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ(つる、きゅうこうになき、こえ、てんにきこゆ)

辛氏が酒旗の舞 鶴は巨万の宝を得る

黄鶴楼(こうかくろう)の伝承の話

劉基

1311~1375年 中国 元末期~明初期の軍人・政治家・詩人

初春の 初子の今日の もて遊び 手にとるからに 延ぶる寿

万葉集 大伴家持「初春の 初子の今日の 玉箒(たまははき) 手にとるからに 揺らく玉の緒」をもじった歌

初子

月の初めの子(ね)の日

寛政九つなる巳の年

寛政9年 1797年 巳の年(へびどし)

青女房露菊

未熟な若い宮仕えの露菊(人の名前)

秘伝千羽鶴折形は、折り鶴の考案は魯縞庵義道、本の執筆は秋里籬島ですが、本文では「露菊記す」というように露菊さんという方が執筆したように書き、朱印で秋里籬島であることを示すような構成だったため、長い間、正確な著者が分からなかったそうです。

この章では、中国の古典の「鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ」「黄鶴楼」、万葉集の大伴家持の歌をもじった歌が出てきますが、昔の人は中国の漢詩や和歌には当たり前に精通していたんでしょうか。

読み進めて色々調べてみると、昔の人の教養に驚かされます。

初子(はつね)については、「月の初めの子(ね)の日」と言われましても… ハテー??と思う方もいるかもしれませんので軽く補足です。

十二支の干支で「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」とあって、このサイクルで年が回っているじゃないですか。
今年の令和5年(2023年)はねずみ(子)年、去年はいのしし(亥)年というように。

このサイクルは年だけではなくて、月、日にちや時間にも使われていて、年柱(ねんちゅう)、月柱(げっちゅう)、日柱(にっちゅう)、時柱(じちゅう)と呼ばれてます。

四柱推命のカレンダーが本屋さんで売ってると思いますので、月柱や日柱が気になった方は四柱推命のカレンダーを入手して確認してみてください。
ちなみにですが、令和5年のお正月の初子の日は1月6日のようですので、1月6日にはぜひ折り鶴を作ってみてください(笑。

…と書いてて思ったんですが、お正月というのは旧正月の日にちなんでしょうか。もしそうでしたら、今年の旧正月は1月22日らしいので、その日以降の子の日だと1月30日になりますね。

うーん、初春の初子の日はいつなんでしょうか? 1月6日、18日、30日のどれかだとは思います。

すみません、正式な初春の初子の日が分かったら追記いたします。

昔の風習も垣間見えて面白いですね。


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